地方銀行や信用金庫でも最近では時短勤務を導入しているところも増えてきています。仕事と育児の両立をするために残業はしないというものです。
ただ、制度があるというだけで実際のところは残業をしているケースがほとんどです。早く帰りたくても人手が足りず仕方なく残業をしている方が多いようです。
金融機関であれば出産後も働き続けることができると考えて就職したけれど、実際には難しくて転職したという方も多いです。
今回は信用金庫の正社員からスポーツジムのパートへと転職した女性にアンケートに協力していただきました。仕事と家事の両立に悩んでいるなんて方の参考になれば幸いです。
信用金庫から転職した理由は生活環境を変えたかったため
私は大学卒業後すぐに信用金庫に入社しました。行っていた仕事内容は内部事務がメインで、テラーや後方事務などを行っていました。
人間関係にも恵まれ、13年間働き続けることができました。その間に結婚もして出産もしました。
信用金庫の仕事は時間に融通が利かない
私が転職したいと思った理由は、子供優先の生活環境に変えたかった為です。転職をしたタイミングは、子供が保育園年長の頃でした。
子供の具合が悪い時には保育園からお迎えのお電話が職場にかかってくるのですが、係の業務を私1人で行っていた為、そういった時にはいつも実家の両親に頼りっぱなしの生活でした。
また、早く帰られる様に段取りをしていても、急な仕事が入る事が多々あり、それをお願い出来る同じ係の同僚も居なかった為、残業を遅くまでせざるを得ない状況でした。
有給休暇も勿論取得可能でしたが、他の方に仕事を任せる事が出来ない以上、事実上取得する事は困難でした。
度々、保育園に延長保育をお願いしお迎えに行くと、我が子だけが残っており、その姿を見るたびに虚しくなりました。働いている意味は何なのか、母親としてこれでいいのかと何度も自問自答する事が増えました。
子供が小学校に入学すれば学童もありますが、保育園よりお迎えの時間に厳しく、夏休み等の長期休暇は出勤時間にはまだ学童が開いておらず朝から預かる事が困難な状況でした。
また、小学校1年生の間は学童に預けられないと定められていた日もあった事から、今の環境でこの仕事を続けていく事は難しいと判断致しました。
信用金庫から会員制スポーツジムのパートに転職
私が信用金庫を退職後に転職した先は会員制スポーツジムです。信用金庫では正社員でしたが、スポーツジムでの雇用形態はパートでした。
仕事内容は、スポーツジム館内全ての清掃から始まり、プールの水質管理、レジ管理、サウナの温度調整、レンタル用品の洗濯、忘れ物の管理、受付、インストラクター、会員様の身体測定、マシーンの説明等、今までに経験した事のない様々な業務をしておりました。
その他に、本来は社員業務になるのですが、金融機関勤務経験があるという事で、会員様の口座登録や金融機関とのやり取りの仕事も店長から頂いていました。
勤務はシフト制ですが、インストラクター業務も行っていた為、自身のプログラムがある時間帯は固定された上で、シフトを組まれるという仕組みでした。
お客様との距離感の近さに驚いた
私がジムで働き始めて感じた信用金庫との違いは、同じ接客業務でもお客様との距離感や接し方が全然違うということです。
信用金庫はやはり信用第一であり、大切な財産や個人情報を取り扱う為、お客様とは一定の距離を保ちながらも、寄り添い、親密すぎない節度ある接客を求められてきました。
しかし、スポーツジムでは、会員様との距離感は近く、なるべくお声がけをして会話をする様に、フレンドリーに接する様にと求められておりました。
同じ接客業務でも、こんなに違う接客になるのだと非常に勉強になりました。
信用金庫からスポーツジムのパートに転職して良かったこと悪かったこと
正社員からパートになり良かったことも悪かったこともありますが、私は総合的には転職してよかったと思っています。
転職して良かったこと
転職して一番良かったことは子供との時間を確保することができるようになったことです。保育園のお迎えにも早い時間に行くことができるようになりました。
今までは仕事後すぐに子供を迎えに行き、すぐに夕飯の仕事をしてと時間的余裕が全くありませんでしたが、今は子供の世話をしながらゆっくりと家事を行うことができています。
二つ目は信用金庫での仕事に疲れ果てていた私に仕事の楽しさを気づかせてくれたことです。スポーツジムはこんなに広い年齢層の方に愛されて、こんなにみんなを笑顔に出来る仕事なのだと知る事が出来ました。
スポーツジムといえば、若い年齢層の方が集まるものだとばかり思っていたのですが、実際は年配の方もかなり多くいらっしゃり、若い方に負けないくらい頑張って運動されており、非常に刺激を受けました。
また、年齢問わずですが、皆さんスポーツをされた後は汗でいっぱいなのに、本当に素敵な表情をされており、その笑顔を見る事がいつのまにか私のモチベーションを上げてくれていたと思います。
転職して悪かったこと
転職して悪かったことはやっぱりお金の面です。楽しく仕事をすることができていますが毎月の給料は正社員の時の三分の一です。ボーナスもありませんので年収は大幅に減りました。
収入が減ることは分かってはいましたが、パートになったことで正社員で働くことの大切さに気付けました。
仕事面では他の従業員のミスのカバーをしなければいけない機会が増えたことも悪かったことです。信用金庫では割と細かな作業を得意とする方が多く、お店全体的にあまりミスの様な事はなかったです。
しかし、スポーツジムでは学生さんのバイトの方が多い事もあって手続きや案内のミスが多いです。ミスをした人の代わりにその手続きをしなければならない事が多々あり、頭を悩ませる事が多いです。
最後に
転職を考えている方へお伝えしたい事は、今40代に入り思うのですが、やはりやりたい、興味のある仕事があるのならばなるべく早くチャレンジするべきだと思います!
私もスポーツジムで働いてみて、新しい業界の良さを知る事ができ非常に感謝しています。今しか出来ない事を優先して頑張って下さい!
私は仕事と子育ての両立をしていくことが難しくパートという選択をしました。ただ、可能であれば正社員として働きたかったと思っています。
最近ではフレックスタイムなどを導入している会社もありますし、労働時間に融通が利く会社も増えています。金融機関はそういう面では大変遅れています。
信用金庫で働いていて仕事と育児の両立で悩んでいるという方は一度求人を探してみてもいいと思いますよ。良い求人は思っている以上にありますよ。
コメント