警備会社と聞くときつくて大変というイメージを持つ方も多いです。確かに一般的に警備の仕事は給料が安く大変だと言われています。
厚生労働省の「令和3年信金構造基本統計調査」によると、警備員の毎月の給与平均は21万8千円でボーナスは23万6千円です。年収にすると288万円です。
日本の平均年収が420万円と言われていますので、警備員の給料の低さが理解できると思います。
ただ、現場ではなく管理職や営業職となれば話は異なります。信用金庫や銀行での経験を活かして顧客獲得のための営業をメインで行いつつ、現場で管理責任者として働く仕事もあります。
今回は30代で信用金庫から警備会社へ転職した男性の事例を紹介させていただきます。転職を検討している方の参考になれば幸いです。
信用金庫を退職した理由は将来性に不安を感じたから
私は33歳の会社員です。昨年度まで信用金庫に務めておりましたが、今年から警備会社へ転職しております。
主な業務内容としては、営業をはじめ、人事や広報に至るまで様々な業務に従事しているほか、状況によっては警備員として現場に立つこともあります。
営業については既往顧客に対しての工事受注状況を確認し、弊社を利用していただけるよう、契約までを行っております。
また、人事及び広報につきましてもハローワークへの求人依頼を中心に行っており、職場見学等を通して採用までの手続き等を行っているほか、インターネットでのPR活動における更新作業を行っている状況であります。
信用金庫の営業方針に納得がいかず転職
私が以前勤めていた信用金庫は地域でも小さい規模の信用金庫でありました。10年間の勤務でありましたが、当初信用金庫に入庫した理由の一つとして、「地域に密着した活動」が挙げられます。
私自身が本店を構える小さな町で生まれ、近くに信用金庫があることが当たり前の学生時代でもあり、地元をもっと活気づけたい、支援していきたいと思いで入庫しました。
地域のイベントごとやボランティア活動に積極的に参加しておりましたし、会社の方針としても積極的な地域住民との関わりを持つような思いもありました。
しかし、そうした活動が会社の経営方針の転換により希薄化したことから、地域の行事に対する支援に消極的になってしまいました。
また、金融業界における変化が大きく、預金融資だけでは収益を得ることが難しくなってきている昨今、我々が何をお客様に売るべきなのかという考えが不透明になったことが挙げられます。
本来であれば融資を伸ばし、経営の安定化を図るべきであると私は考えているのですが、会社の考えが定着していませんでした。
クレジットカードの販売を積極的に行ってみたり、保険の販売を積極的に行ってみたりと方向性が定まらず、数字が伸び悩むという悪循環にも陥っていました。
自分自身が自分らしくいれて、積極的に意欲的に行動することができると感じた今の会社に魅力を感じ、退職を決意いたしました。
信用金庫から警備会社へ転職して良かった点と悪かった点
転職して良かったことも悪かったこともあるますが、総合的に判断して転職して良かったと思っています。
良かったこと
現在の会社に転職して良かったことは、自分自身がこれまで信用金庫で培ってきた知識と経験を活かして営業活動を行えていることです。
当初は業種が変わると営業スタイルが変わると思っていたため不安に思うことのほうが多かったです。
しかし、実際にはお客様に勧めるものは違えど、自分自身のスタイルは変えることなく、応用を利かせて対応することができるという点を知ることができました。
また、これまでの経験を会社で理解していただき、多くのことを任せていただいていることから、仕事に対して意欲的に取り組めていると実感しております。
悪かったこと
転職して悪かったことは、信用金庫という厳しい縦社会で勤務していたことから、規則やビジネスマナー等に対して非常に厳しい目で物事を考えてしまうところです。
現職における職員の考え方や態度が目に着くようになったことが挙げられますが、我々の業界は離職率の激しい業界でもあることから、指導の仕方、教育の仕方に苦戦を強いられていることに今後の不安を持っています。
また、現在のコロナ禍で倒産する企業が多く見受けられているため、弊社でも気を引き締めて業務を行わないといけないという緊張感があり、常に危機感を持って行動しないといけないプレッシャーがあります。
警備の仕事に就きたい人へのアドバイス
警備業界のイメージはあまり良くなく、自ら望んで警備業界に入りたいという人材は少ないと思います。
しかし、皆さんがイメージしている警備のお仕事と実際に行っている警備のお仕事は大きなギャップがあります。
働いている警備隊員に話を聞いてみると、「我々が住む町で1件でも事故が減少して、死傷者が出ないために私たち警備員がいる。」という話もしております。
危険が伴う仕事にはなりますが使命感を持って仕事に臨めるため、やりがいを感じることができます。
自分に向いている仕事なのか、自分にできる仕事なのか悩んでいる方がいるならば、一度経験してみることを勧めたいと思います。
こうした業界は夏は暑く、冬は寒いといった気候による辛さもありますが、自分らしく生き生きと仕事できる環境であることも確かです。
現在では警備員がいなければ工事ができないといった現場も多くあります。どんな仕事にも大変な部分はあると思います。
警備業界に興味を持っていただいている方は、我々にとって必要な人材であるため、ぜひ後悔しないためにも一緒に頑張りましょうという思いでおります。
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