愛知県には15の信用金庫があります。三重県には4つ、岐阜県は6つですので愛知県にある信用金庫の多さがよくわかると思います。
愛知県は製造業が盛んで、特に自動車関連の企業が多いです。そのため、県内に数多くの金融機関があります。
信用金庫と聞くと預金量や貸出金が少ないというイメージかもしれませんが、愛知県内の信用金庫の預金量は地方銀行を上回るところも多いです。特に岡崎信用金庫は全国トップ3に入ります。
今回は蒲郡信用金庫から転職した女性に転職先としてどこが人気なのか聞いてみました。愛知県内での転職を検討している方の参考になれば幸いです。
蒲郡信用金庫の仕事内容に疑問を感じ20代後半で転職
私は、大学卒業後に蒲郡信用金庫に入庫し4年間勤務していました。入庫当初から2年間は、口座振替業務や為替業務、渉外係が持ち帰ってきた伝票の処理などの後方事務に従事しました。
残りの2年間は出納業務(支店の現金管理)とテラー(窓口業務)を兼任していました。来店客数が市内で1位2位を争う支店で、ひっきりなしにお客様が来られました。
多忙で昼食休憩を取れない日々を送っていたので、入庫から3年間で15kg痩せ、健康診断で指導を受ける程でした。
非常に厳しい労働環境でしたが、当時新卒で社会に出たばかりの私は、これが社会の当たり前だと思っており、何の疑問も持たずに働いていました。
ですが、時代の流れと共に金融機関が置かれた状況が変わっていき、この先ずっとこの仕事を続けるべきか悩むようになりました。
手数料収入のためのリスク商品の販売に嫌気がさした
当時は(現在もだと思いますが)超低金利時代に入っており、金融機関にとって厳しい時代です。
預金収入の見込みが薄くなり、投資信託などの元本割れのリスクがある商品を販売することによって得られる手数料収入が頼りでした。
初めのうちは渉外係にだけリスク商品のノルマがありましたが、それだけでは支店のノルマが達成出来ず、徐々に私達テラーにも重いノルマが課せられるようになりました。
窓口でお客様の様子を窺いながら必死でリスク商品を提案していました。そもそも窓口で接するお客様は両替や入出金だけで来られていたので、リスク商品の提案に
嫌な顔をされることも多々ありました。
ですが、お客様の中には私のことを気に入ってくださる方もいらっしゃったので、そのようなお客様が『あなたのノルマ達成のためなら買うわ』と言って買ってくださるようになりました。
ノルマを達成できるようになって私は一安心はしました。と同時にふと冷静になり、『私は何のために働いているんだ?』と思うようになりました。
ノルマを達成するために、お客様に協力していただく日々・・・。これで信用金庫は大きくなれるのかもしれませんが、私のことを好いてくださるお客様への罪悪感が膨れ上がり転職を決意しました。
蒲郡信用金庫からの転職先として人気がある企業を紹介!
次に私が勤めていた際に転職していった同期や先輩などから人気の転職先を紹介させていただきます。
地方公務員
1番人気の転職先は地方公務員です。新城市役所、田原市役所、湖西市役所が特に人気です。
市役所は倍率が高く、狭き門と思われがちですが、元信用金庫職員は即戦力になるので重宝されます。
私が信用金庫に在籍していた頃も、同じ支店の先輩2人が同時に同じ市の採用試験に
合格したことがありました。採用されたあとは、各課の受付や納税課に配属されるケースが多いようです。
受付では、信用金庫の窓口業務で培ったお客様対応能力が活かせます。市役所も信用金庫も、手続きする際はお客様に窓口で書類を記入していただかなければなりません。
信用金庫での窓口業務の経験があると、お客様に正しい書き方を丁寧かつスムーズにご案内することができます。
市役所にもいろいろなお客様が来られますが、信用金庫のように営業ノルマがあるわけではないのでプレッシャーを感じることなく窓口業務に専念できます。
また、納税課では信用金庫在職時に身につけた税務の知識が活かせます。細かい税計算もお手のものです。
差押え等の法務にも精通している職員が多いので、1人で徴収業務を任されることもあるそうです。
株式会社サーラコーポレーション
2番目に人気の転職先は、一般企業の経理職です。特に蒲郡信用金庫からSALAグループへの転職が人気です。私もSALAグループ内の企業に勤務しています。
SALAグループとは、愛知県豊橋市を中心に事業を展開しているグループ会社で、東三河ではこの名前を知らない人はほとんどいません。
テレビCMの放送でもお馴染みです。メイン事業はガスの供給ですが、その他住宅会社や不動産会社、保険会社や自動車販売業など、暮らしにまつわるさまざまな会社があります。
地元で盤石な地位を築いているグループ企業ですので、倒産の心配をする必要もありませんし、地元での知名度は抜群です。
また、採用する企業にとっても、元信金職員という肩書きのある人材には安心感があるようです。
私を採用してくださった人事部長は『信金出身者は社会人としての基礎教育が徹底されているので安心して採用できるし、即戦力になる』と言っていました。
このように、自分が勤務している信用金庫の知名度を活かして同程度の知名度の企業に転職するのはおすすめです。
自動車関連会社の期間工
一部の男性職員に人気があるのは、トヨタ系列の企業の工場での期間工(期間従業員・期間社員)です。
信用金庫の仕事は、金庫内外問わず他人との関わり合いの連続です。接客・営業はもちろん、上司に報告、場合によっては融資関係の他部書との折衝、支店内の事務方への相談など。
接する人全員がいい人とは限りません。面倒なお客様や気の合わない上司、ぎすぎすした事務員・・・。
そんな人間関係に疲れ切ってしまった人は期間工の道を選んでいます。もちろん期間工が全く人と関わらない仕事と言うわけではありませんが、人と接するよりものと接している時間の方が長いです。
また、そもそもものづくりが好きな人はここ愛知県では多いですので、期間工で働くうちにその才能を開花させ、工場内で班長やリーダーにスムーズに昇格していく例もあるそうです。
1日のうちに作り上げてしまわないといけない数が決まっており、時には長時間の残業もあるようですが、信用金庫の仕事と違い、ものを作り上げていくことにとてもやりがいがあるようです。
期間工は給料が高いのも魅力的なようです。期間工の年収は600万円程度あり、信用金庫で働く若い社員よりも圧倒的に高いです。
夜勤もありますが、お金のためなら頑張れるという人も多いです。期間工でしっかり働くと正社員への登用もあるので、工場勤務が苦にならない人にはうってつけです。
最後に
私は愛知県の中で東側に住んでいます。同じ愛知県でも東と西では大きく異なります。東側は大手企業の工場がたくさんあり、西側は本社があるというイメージです。
愛知県は中小から大手まで数多くの会社がありますので、信用金庫で働いていた経験があれば就職先に困るということはないと思います。
私のように仕事内容に疑問を感じている人も多いと思いますので、もし転職を考えているようであればぜひ行動してみましょう。
転職活動をしていると自分が知らなかった良い企業と巡り合える可能性も高まります。悩んでいるようであればまずは行動することをオススメします。
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