介護や福祉業界というのは給料が安くて大変な業界だと言われ、転職活動の際に選択から外しているという方も多いと思います。
ただ、最近では徐々に介護職員の賃上げが始まっており、2022年2月から1人あたり月額9,000円ほどの交付金が支給されることになりました。
今後も中長期的な賃上げが検討されており、今後少子高齢化により需要も高まることが予想されるので、転職先の選択肢の一つとして考えても良いと思います。
今回は信用金庫から障害福祉業界へ転職した男性に転職後の状況などについて伝えてもらいました。介護や福祉業界への転職を検討している方の参考になれば幸いです。
信用金庫でのパワハラに耐えられず転職
私は大学卒業後すぐに信用金庫に就職したわけではありません。卒業後は老人介護施設に就職しました。
新卒で介護職に就職しましたが、昇給や賞与の少なさに絶望し就職活動を始めました。バイトを掛け持ちしながら転職活動を行いました。
なんとなく安定してそうという理由で受けた中の一つに信用金庫があったのですが、当時は半沢直樹の影響で金融系の採用倍率が高く厳しい戦いでしたが、その中で採用されたのは嬉しかったです。
信用金庫は仕事を教えてもらえる環境ではなかった
転職出来て嬉しいと思ったのは入社した最初の時だけでした。まさか1年半でまた転職することになるとは思っていませんでした。
勤めている中で感じたのは、「意外と信金ってしっかりした企業じゃない!」ということでした。
指示は「これ読んでやっといて」とわかりにくい書類を渡されるだけなのに、間違っていたら高圧的に怒られました。
研修っぽいものはありましたが一応やっただけ感が強く、新入社員に理解させるためのもののようには感じませんでした。
わからない専門用語について尋ねても返ってくるのは「自分で調べて」とか「勉強不足」の一言です。
こういう閉鎖的な世界かつ退職したくないような規模の企業でこそパワハラは効果を発揮することを感じました。
一応営業職で入ったので外回りの時間が多かったのですが、上司の同行をしていてもイマイチ教えてくれず質問しても「あとで」と相手にしてくれません。
仕方がないのでネットや他行で働く友人に聞きながら自分なりの働き方を模索するしかありませんでした。
その中で関与先からたまたま融資の相談を巡回のついでにされ、案内をしている途中で上司が自分から横取りし、その手当も上司にのみ入ったことを知ったため退職の決断をしました。
働きにくく、自分の頑張りが反映される環境でもなかったのは耐えられませんでした。
信用金庫から転職したのは福祉業界
とにかく次はストレスなく働きやすい環境の会社か、頑張れば頑張った分だけ正当に評価される会社のどちらかにひっかかるように就職活動を行いました。
そうしないと精神的にもう病んでしまいそうだったのです。入社初日からサービス残業当たり前、パワハラ当たり前の会社もありましたが躊躇なく辞め、次から次へと探していきました。
その中で落ち着いたのは障害福祉施設の会社でした。
障害福祉施設の会社ではノー残業が当たり前
利用者の方々は私と同じように一般企業で受けたストレス・過労やパワハラのために心を病んでしまい障害者手帳を取得した人たちで、社長自体も昔パワハラを受けたことがあるということを聞きました。
それもあってか今の会社ではノー残業が当たり前、資格を取得すれば手当がつきボーナスも有りという良い環境でした。
「うつの人に頑張れと言ってはならない」など具体的なマニュアルも諸先輩方が作っていてくれ、勉強になります。
転職を決意した当時、「せっかく信金に入ったのにもったいない」と母親からは止められましたが自分としては大正解だったと思っています。
利用者の方と話していてもみなさん賛同してくれますし、「自分にはその決断ができなかったから病んでしまった」と言っている方も多いです。
環境や肩書も大切ですが、自分らしく生きることこそが何より大切だと私は考え、こうして副業にも手を出して楽しい人生を送れています。
信用金庫から福祉業界へ転職して良かったこと悪かったこと
信用金庫から福祉業界に転職してみて良かったことの方が多いですが、悪かったこともあるので紹介させていただきます。
転職して良かったこと
- 残業が大幅に減った
- 頑張りが評価される
- 職場の人間関係が良好
まず、転職して良かったことは残業が減ったことです。信用金庫ではサービス残業が当たり前という風潮がありました。
タイムカードは切るのですが、切った後も普通に働いていました。また、朝も早く出社して毎日清掃業務をしていました。
タイムカード上の労働時間は9時間程度ですが、実際のところは毎日プラス2時間程度は働いていたと思います。
また、頑張りが評価されようになり、労働意欲がたかまりました。職場の人間関係も良好で、労働環境がよくなったことです。
転職して悪かったこと
- 給料が減少
- 賞与が減少
- 体力勝負の業界
悪かったことは給与や賞与の額が減ったことです。残業もほとんどないので毎月の給与が減るのは当たり前ですが、賞与の額もだいぶ減りました。
また、体力勝負で大変なことも悪かったことかなと思います。信用金庫は体力的にきついということはほとんどありませんでした。
ただ、精神的にきつかったのは信用金庫ですし、私は転職して本当に良かったと今でも思っています。
最後に
転職が絶対に正しいなどとは言えませんが、今あなたが勤めている会社に問題があるかどうか考えてほしいです。
不満があったとしてそれは自分のわがままや無いものねだりのこともあるかと思いますし、転職することに迷いがあるとすればまだ少し考えてみてもいいのかもしれません。
私は母に止められても全く耳に入らず「絶対に転職をする!」と強い意志があり次々と自分にあう会社探しの旅に出ることができました。
次の会社も当然当たりとは限りませんのでそこも合わなければすぐ辞めて次に行くのも全然ありだと個人的には考えます。
しかし、それには途中で諦めてしまわない強い志と行動するパワーが必要となってきます。なので迷っているぐらいなら最初から軽い気持ちで転職活動をするべきではないと思います。
もちろん今の会社があなたにとってベストな可能性もあります。働いている以上は悩みや迷いはつきものだと思うので、友人や家族など、客観的に一歩引いた目線で見れる人に相談してみることを強くおすすめします。
意外と人に話すだけでも頭の中の整理になってスッキリしますし、あれ?これってただの愚痴?と収まることだってあるかもしれません。できることならば転職せずに同じ企業で継続出来るに越したことはないですからね。
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