倉庫・運輸業というのは私たちの生活になくてはならない仕事ですが、この業界の業務内容や代表企業がすぐに思い浮かぶ方はあまりいません。
この業界の代表企業と言えばAmazonや楽天、日本通運などがあります。最近では自宅で過ごす時間が増えており、今後も安定した需要が見込まれる業界で、他業種からの参入も増えてきています。
今回は信用金庫から倉庫・運輸業界へ転職した女性社員にアンケートに協力して頂きました。転職を考えている方の参考になれば幸いです。
信用金庫からの転職を決めた理由は営業活動が嫌になったから
信用金庫に1年間勤務していました。3か月間の研修を経て支店配属となり本店営業部で3か月間後方事務をしていました。
研修内容は座学、ロールプレイング、システム実習の3つです。座学では投資信託や保険、相続の知識の授業がありました。
ロールプレイングでは窓口応対として基本的な入出金から投資信託や保険の声掛けを行いました。
システム実習では入出金や定期預金の作成、諸届の解約などを行いました。支店配属後は後方事務の定期預金係として定期預金や定期積み金の作成を行っていました。
窓口での営業ノルマが大変だった
窓口での営業が強化されたため転職を考えるようになりました。大学での就職活動は人々の生活の基盤を支える業界を軸にしていました。
水道やガス、電気、通信等のインフラ業界です。金融機関も人々の生活の基盤となるものであり、そのなかでも地域貢献の色が強い信用金庫を選びました。
先に入庫した先輩から話を聞いたところ、窓口での営業はほぼないということでしたが、私が入庫した年から営業強化ということでノルマを課せられるようになりました。
保険や投資信託で利益を得るためにはお客様に合ったものではなく、最大限に利益が出るような営業の仕方をしていくことが効率的な営業活動には必須でした。
お客様を第一に考える運営ではないことが次第にストレスになっていきいました。
例えば保険であれば、余剰資金がなくぎりぎりの生活をされている方がいざというときに困らないように契約するのがベストです。
しかし、効率よく利益を上げるためには本来保険を必要としないような資金に余裕のある層をターゲットとして営業活動を行います。
投資信託であれば、手数料はネットの方が安いのでお客様を第一に考えたらネット証券をおすすめすることです。
対人で投資信託の販売をすることにメリットを見出すとしたら、継続的にサポートしてもらうことが一番になりますが、販売する職員は3から5年で支店の移動があり、継続的なサポートは難しくなります。
引継ぎがあるとしても全職員が同じだけの知識があるとは限らないため、投資信託を信用金庫で契約することは個人的に避けたいです。そういった経緯から転職を考えました。
倉庫・運輸業界での仕事内容と信用金庫との違い
転職した業界は倉庫・物流業界です。物流業界の中でも倉庫と配送をしている企業です。あるメーカーの荷物を預かって地域の小売業者に配送します。
荷物を預かった保管料と小売業者に配送した配送料が売り上げになります。
仕事内容
私が行っている仕事の内容は事務です。倉庫を出入りする荷物の数量や製品コードなどをシステムに入力するなどして管理するデータ入力や、小売業者への配送時のトラブル対応などです。
関わる人はメーカーの荷物を工場から運んでくるドライバー、自社倉庫のリフト作業員、メーカーのデータ送受信担当者、自社倉庫から小売業者倉庫に配達する自社のドライバーです。
信用金庫との違い
- 接客をする必要がない
- 営業活動をする必要がない
- 関わる人がほとんど変わらない
信用金庫との業種的な違いは、自社で売り上げを伸ばすような活動をしなくても安定して売り上げがあることです。メーカーから保管と配送の依頼があればそれが必ず売り上げになります。
私は転職理由が営業活動の有無だったので、営業活動を必要としない業界であることは信用金庫との違いであり魅力でした。
地方銀行・信用金庫は同じ職場でも移動が激しく、またお客様も常連様ばかりではないので関わる人が日々目まぐるしく変わっていく業界でした。
それに対し物流業界は自社も他社も同じ担当者や同じ作業員なので親しくなりやすいです。そのため人間関係のストレスが発生しにくい状況です。
信用金庫から倉庫・運輸業界へ転職して良かったこと悪かったこと
金融機関を志す方の多くは安定した職業に就きたいという志望理由をもって就職する方がほとんどだと思います。
実際金融業界の現状は、勤務時間、年間休日、給与、賞与が安定していると思います。
勤務時間は残業を減らす傾向にあるので定時あがりの割合も多いですし、年間休日は年末年始こそ少ないものの、土日祝が休みで5日間連続の有休も義務付けられています。
給与は一般企業に比べたら平均水準は高いと思いますし、何か特別なことをしなくても必要な資格を取得すれば昇格昇給がしやすい業界です。
賞与も必ず一般企業ぐらいは出ていると思いますし、賞与を出すための人事考課もきちんとしたシステムだと思います。
そういった安定をもとめて就職してそういった安定が手に入った人がなぜ転職を希望するか、それはおそらく、人間関係が上手くいっていないことや営業活動の有無が理由だと思います。
転職して良かったこと
- 営業活動を行う必要がなくなった
- 人間関係で悩むことがなくなった
- ミスをしても許される環境
まず、一番良かったことは営業活動をする必要がなくなったということです。自分の気に入らない商品を会社に言われるがまま売る必要がないって最高です。
次に毎日ひっきりなしに来ていたお客様への接客をする必要がなくなったことも良かったことです。そのため、自分の仕事に集中することができています。
また、信用金庫よりミスが許される環境だというのも気が楽です。信用金庫ではお金を取り扱っていて、少しのミスをするだけで大事件でしたが今の会社ではそんなことはなく気楽に働くことができています。
転職して悪かったこと
- ボーナスは下がった
- 同期が少ない
- 通勤時間が増加
- 服装で悩むようになった
まず、ボーナスの金額が下がったことが悪かったことです。毎月の給料についてはそんなに変わりはありませんが、ボーナスの額を見るとショックを受けることがあります。
次に同期が少ないことも悪かったことです。信用金庫では同期入庫の社員が50名程度おり、悩みなど相談することができましたが今は同期は少なく、中途採用ですので仲が良いという感じではありません。
最後に毎日の服装で悩むことも悪かったことです。信用金庫時代は制服でしたので毎日の服装で悩むなんてことはありませんでしたが、今の会社は制服ではないので自分で服は選ぶ必要があるので面倒です。
転職を考えている人へのアドバイス
私の同期も50名以上いましたが半数は退職しました。金融機関は離職率が高い業界です。
金融機関に就職する人はまじめな人が多く世間体を気にして転職をためらうことがあるかもしれませんが、転職して幸せになっている人もたくさんいるので、自分が苦しみから解放されるには何を捨てるべきか考えることが大切だと思います。
もし人間関係で苦しんでいるのであれば、それは転職で改善するのは難しいかもしれません。ただ、あまり忙しくなく売り上げ活動のすくない倉庫業界はピリピリした雰囲気はないのでおすすめです。
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