メガバンクに就職したら人生勝ち組なんて時代はもう終わりました。近年ではメガバンクは就職したくない業界のトップ3に入ってきています。
やはりIT技術の発達により様々な業務がデジタル化され、業界の縮小が予想されていることが要因のようです。
そのため、一度メガバンクに就職したものの、別の業界へと転職する人は増えています。今回は20代でメガバンクからIT企業へ転職した方の事例を紹介させていただきます。
メガバンクから転職した理由を紹介!
私は20代の男性で、新卒入社でメガバンクへ入社しました。最初の2年間は営業店へ配属されました。
大規模店舗であったため、配属・担当業務となっていた法人向け融資業務に加えて外為業務や個人ローンの業務にも携わりました。
3年目のタイミングで個人顧客向けのアプリケーションを開発・推進する部署へ異動となり、6年目を半年すぎる時まで在籍しました。
2年前に金融系のIT企業に転職して現在に至ります。
転職を決めた理由は2つ
コロナ禍に入ったとき、他の銀行と比較して圧倒的に出社率が高く、このままでは自分の身を守ることができないのでは?と思ったことが転職を考えるきっかけになりました。
そこから他の企業の情報を探していくうちに、今後自分が最優先したいことは何なのかをよく考えるに至りました。
より自由に自分の時間を使えるようになることや、出社が必須でないことが自分の中で最優先事項であることに気づいたため、それが実現できる会社を探して転職することになりました。
また、前職の銀行を辞めたいと思った二つ目の理由は、配属が数年に一度変わってしまう異動制度が社員全員に適用されているからです。
営業店で働くうちに、金融商品を顧客に提案して買ってもらうことや、お金を借りてもらうよう営業をかけること、また、それに付随する事務業務に携わることに対して、自分が全くやりがいや楽しさを感じていないことに気づいていきました。
本部に異動したとしても、どのタイミングで営業店に戻されるかわからない状況で、このまま働き続けることが果たして良い選択なのか、ということを、コロナ禍に入ったタイミングでよく考えるようになっていました。
きっかけは違いますが、転職をしようと強く思うに至った大きな理由でした。
メガバンクからの人気の転職先を紹介!
私が勤めていたメガバンクからの転職先として人気のあった先を3つ紹介させていただきます。
地方公務員
前職の同僚の中で最も転職者が多かったと記憶している転職先は、地方公共団体(市役所や区役所)です。同僚の中でも、特に同期が非常に多く転職していったように思います。
銀行員になる人の特徴として、「勤勉で資格取得に苦痛を感じていない」「極めて安定志向」「上司の言うことに、聞いたままに従う」という特徴をもった人が多いです。
そのため、社会人になってからもう一度勉強をし直し、公務員試験を受けることに対してあまり抵抗を感じない人が多いようです。
私は東京の都心で働いていたのですが、地元の公務員試験を受けるため、東京から地元にUターンして勉強を始めるという同期・同僚が何人もいたことで、仕事の性質が似ていることから適性もあるのだろうと考えていました。
実際、試験を受けた後もしっかりと合格をして、働き始めたと言う報告を後に受けたので、勉強に取り組み、資格取得をすること自体は得意なのだなあと、感心したことをよく覚えています。
外資系保険会社
公務員の次に人気が高かったのが外資系保険会社への転職です。これも同期から転職する人が多かったように思います。
個人のお客様への保険販売に関連して、定期的にプルデンシャル生命の社員の方が営業店へ訪問していたのを覚えています。
保険の内容に関して社員にレクチャーしたり、実際に商品の販売に帯同するようなこともあったように記憶しています。
それも転職者が多いことにつながっているのかもしれないのですが、個人的な話、特に給与や待遇について会話をする機会も多くある状況でした。
転職を決意した同期によると、プルデンシャル生命の営業職は完全歩合制を選択でき、自分が話を聞いた社員の方は、非常に営業成績が良かった時には月給が100万円にも上ると言っていた、と言っていたのを耳にしたことがあります。
私たちが入社して2年も経っていないタイミングでの話なのですが、徐々に仕事を覚え始めて営業店でも新人扱いではなく、厳しく指導されてきた頃に聞くにしては魅力的だったのかなと今でも思っています。
コンサルティングファーム
私の周囲で人気だった転職先の3番目は、コンサルティングファーム(デロイト・トーマツ/ PwC/ アクセンチュアなど)です。特に営業店時代ではなく、本部の同僚が多く転職していった記憶があります。
銀行の営業店で身に付く業務経験や知識、技能と言うのは非常に潰しが効かないもので、同じく銀行に転職しない限りは他の業種への転職が非常に難しいものです。
ただ、そんな銀行員にも一つだけ他の業種へ転職する道が残されており、それが、本部へ異動して企画業務等の、一般企業での業務につながる仕事に携わり経験を積むと言うものなのです。
銀行員の金融関連知識というのは、銀行の外に出ると、転職という範囲では単体であまり力を発揮することができないものですが、本部業務の経験を兼ね備えた時には話が違ってきます。
専門的な力を持った、企画業務が可能な人材となることができ、特定の分野でかなり重宝され始めるのです。コンサルティングファームでは金融分野で重宝されることから、その道を選択する社員が多くなる理由なのだろうと分析します。
最後に
メガバンクは地方銀行や信用金庫と比べると経営統合や破綻のリスクは少ないですが、今後も安泰かと言わたらそうとも言い切れません。
本業である融資で収益を稼ぐことが出来なくなっており、金融商品の販売などの手数料ビジネスで儲けるしかない状況です。
ですので、まだ転職ができる年齢であれば将来性のある会社に転職するという選択もアリだと思います。
メガバンクからの転職は意外と簡単にできます。銀行に勤めていたということは一定水準の社会的な知識を持っていると思ってもらえます。ですので、転職活動は思っているよりも楽に行うことができます。
また、実際に転職してみても銀行時代よりは仕事は楽なケースが多いです。あれだけ大変な業界で働いてきたのであればどこでも仕事はこなせると思います。
仕事が大変で転職を考えているという方は一度検討してみると良いと思います。
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