私は3年前まで某信用金庫に大卒で10年間勤めていた36歳女性です。現在は専業主婦をしています。
当時は、主任クラスで残業はほとんどしていない状態で、年収は500万円強くらいだったと思います。神奈川県内で二強と言われる信用金庫の川崎市内の店舗に勤めていました。
仕事内容は支店勤務の内勤の仕事全般です。私は外方活動はしていませんでした。具体的には、預金関係の窓口業務、預金、融資関係の後方事務、現金出納関係、ATMの現金補充やメンテナンス関連、年金受給や投資信託の勧誘活動等を行なっていました。
当時の信用金庫内は女性はまだ外方活動を行う営業担当は少数で、営業担当と融資窓口は、人事部から指名された職員が行なっていました。
内部職は一人三役以上目標とし、係の概念をなくす教育に切り替えられており、正職員は全ての仕事を均等に行うように言われていました。
特に私は主任クラスだったので、全体の仕事の進捗を把握し、回っていないところを手伝って、いかにお客様の待ち時間を短縮するかに努めていました。
信用金庫に勤めていて辛かったのはクレーム対応

私は最初に就職をした時には後方事務を希望していたのですが、正職員は全ての仕事を任されるため、まずは窓口で接客業務をしてくださいと言われました。
それがとにかく苦痛でした。何も知識のない人間が、実際に金融機関の窓口に座って接客業務をすることは恐怖でしかありませんでした。
もちろん実際に来店されるお客様は金融のプロとしての対応を求められますので、答えられなかったりすると怒鳴られることも多々ありました。
また、ちょっとした応対や言葉遣いで気を損ねてしまうことも多々あります。お客様からのクレームで一番辛かったのは、窓口で伝票を記入していただいているお客様の記入を私も確認しながら待っていたら、「なんで書いているところを見ているの?私が信用できないってこと!?」と急に怒鳴られて、ボールペンを投げつけられた時です。
あまりにも突然の激昂に、びっくりしたのと恐怖で固まってしまった私に、上司が飛んできて謝ってくれたのですが、とにかく罵声を浴びせられた続け、いったん店舗を出て行った数十分後にまた店舗に怒鳴りながら飛び込んできて、罵声を浴びせられました。
その時は、自分にそこまで非があるとは思えませんでしたし、なぜこのように人として扱ってもらえないくらいの罵声を浴びせられているのか分からず、接客恐怖症はより強くなり、窓口に座っていることも恐怖で毎日辛かったです。
後からわかったのですが、その方は少し精神を患われていて、他の支店で接客には充分気をつけることとされている方だったということでした。
信用金庫に勤めていた時は毎日辞めたいと思っていた

働いていた10年間は常に、仕事を辞めたい、次の仕事を探したいと思っていました。私が大卒で就職を決めた際に想像していた仕事内容とはかけ離れていたからです。特に以下の3点がきつかった。
- 接客業務がキツイ
- 勧誘活動がキツイ
- ミスなく素早く内部事務をこなさないといけないのがキツイ
接客業務がキツイ
こんなに接客が求められる仕事だとは思っていませんでした。特にお年寄りの対応が多いので、言葉遣いや応対に注意をしないと厳しいお言葉をいただくこともあります。
お年寄りは優しい人たちが多いと思っていましたが、優しいかどうかは人によるということが信用金庫に勤めるようになってよくわかりました。
勧誘活動がキツイ
また、勧誘活動も自分が思っていた以上に厳しかったです。ノルマはあまり厳しくないと言われていましたが実際にはかなり厳しかったです。
内部の担当者でも、年金の受給口座の指定数、定期預金の獲得金額、投資信託の契約等、獲得件数をかなり細かく指定されて、毎日電話勧誘をしていました。
私自身、電話勧誘をされるのは嫌いでとても抵抗があったので、日々電話勧誘をし続けなければいけない環境はとても辛かったです。
また勧誘をして実際に契約に結びつけば良いですが、すぐに契約できるようなスキルは私にはありませんでしたので余計に辛さは増していきます。
ミスなく素早く内部事務をこなさないといけないのがキツイ
信用金庫はお金を取り扱う仕事ですのでミスは許されません。また、窓口に来ていただいた来店客の方の処理をお待たせしないようスピードを持って正確に対応する必要があります。
時間内に全ての事務を終わらせること。事務処理にミスがないように細心の注意を払うこと。残業はしない。そして、勧誘して目標の契約件数を獲得すること。
毎日毎日、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら働き続けたいたので、仕事を辞めたいと思いながらも、いざ転職活動をする力はどこにも残っていない状態でした。
信用金庫の女性職員に対する待遇に不満を感じて退職したが後悔はない

当時、私は既婚で子なしだったのですが、お子さんのいる女性職員に対する環境や待遇にとても不満を感じていました。
育児休暇、時短勤務は、制度としてはきちんと制定されており、妊娠して退職を選ぶ人はほとんどいませんでした。
ただ、実際に育児休暇取得後に復帰をされて時短勤務を選ばれた方々は、ほとんど時短勤務できていない現状でした。
さらに支店によっても対応がバラバラで、支店長、直属上司の考え方によって、働きやすさの差が激しいところがありました。
まだまだ古い考えの支店長、直属上司がたくさんおり、仕事が片付かないのであれば、時短で帰すわけにはいかないと考えている方が多く、時短契約や勤務時間が終わっても帰れず残業している方がほとんどでした。
また、周囲からも帰るよう声かけがあるわけでもなく、帰りたいとは言えない雰囲気があり、とても嫌な気持ちになりました。実際に働いていた方々はとても働きづらかったと思います。
また、主任クラスの人材への負担がとても強かったです。もちろん、一般職員よりもクラスが上なので、それ以上の仕事が求められているのは理解しています。
しかし、仕事のできない係長の仕事を代わりに負担したり、一般職の指導も係長がやるべき領域まで押し付けられることもしばしばあり、納得のいかないことが多々ありました。
当時は支店の職員の人数も減らされる傾向にあったので、主任クラスの職員が一般職員の二倍、三倍の仕事量ができて当たり前だと言う扱いも受けていて苦痛でした。
今後自分に子どもができた時にこの信用金庫で働き続けることは無理だと考えるようになり退職を決意しました。幸いなことに夫婦共に働いていたのである程度貯蓄はあったので、辞める決心がつきました。
今は退職して専業主婦としてのんびりと生活することができています。子どもも出来たので子どもとの時間を優先するようにしています。
あのまま信用金庫に勤めていたら今のように心に余裕を持って生活は出来ていなかったし、我が子の成長を見守ることなんてできなかったなと思います。
日々の生活をするためにはお金が必要ですが、自分の子どもとの時間も大切です。どちらを選ぶかは人によって違うと思いますが、私は子どもとの生活を優先しました。
信用金庫で働きたい人へのアドバイス
信用金庫は接客業です。もちろん金融のプロなので金融知識は最低限に必要ですが、それ以上に接客の力は絶対に必要です。
そして、他の金融機関よりも圧倒的にお年寄りを応対することが多いです。お年寄りの方に寄り添った応対ができない方は、仕事はできないと思います。
また、都市銀行よりも内部体制やシステムは古いです。最新のシステム等に憧れている方は働くのは厳しいと思います。
働いている方もまだまだ50代、60代の方は昔の考えの方も多いので、そういうお堅い職場が苦手な方は厳しいと思います。
しかし、このようにいろんな不満があっても10年間勤められたのは一緒に働く職員がとても理解ある方が多かったからです。
尊敬できる上司や先輩、後輩との出会いがたくさんありました。一緒に働くメンバーが素敵な人が多いことはお勧めします。
信用金庫を選ぶからには、地元の企業やお年寄りに寄り添う気持ちがないと続かないと思いますので、そのような意欲のある方は、ぜひ採用試験に応募していただき、ご自身の目で、内部の雰囲気を味わって決めていただきたいと思います。
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