地方銀行から転職する方は多く、入行して3年以内に転職する方が最も多いようです。銀行のイメージと現実とのギャップは想像以上に大きいようです。
私も給料が高くて仕事は比較的楽だというイメージで地方銀行に就職先を決めてしまい失敗してしまいました。
そんな地方銀行からの転職先として人気があるのが地方公務員です。人気の理由は、公務員ですので安定しており、給与も一定水準以上はもらえるという点のようです。
今回は岡山県の地方銀行から市役所に転職した男性の事例を紹介させていただきます。教えていただいたのは以下の内容です。
- 公務員に転職しようと思った理由
- 公務員採用試験の詳細(試験内容・面接で聞かれたこと・志望理由)
- 転職して良かったこと悪かったこと
- 公務員に転職したい方へのアドレス
志望理由書に書いた内容なども紹介していますので参考にしていただければと思います。
地方銀行を辞めて公務員になろうと思った理由
現在私は31歳の男性です。関西の私立大学を卒業し、「地元に貢献できる仕事がしたい」という想いから地元岡山県の地方銀行へ就職しました。
私は長男であることから、就活の時点で「地元で働ける会社」に就職希望していました。その中で知名度が高く給料の高い業種を選んだ結果、地方銀行への就職を決めました。
地元の銀行に内定が決まり家族も喜んでくれました。就職するまでは安定しており地元に貢献できる仕事だと思っていました。
しかし、実際に働いてみると、ノルマ達成のために顧客本位ではないサービスや商品を提案する現状を知りました。
達成できないと上司に詰め寄られることも日常茶飯事で、「これが本当に銀行が謳う地域貢献なのか」と疑問を感じるようになりました。
入行2年目の時に高校時代の友人が転職し県内の町役場に転職したと聞きました。彼は大手企業に就職して全国を転々としていました。
給料は高かったようですが、そうした働き方が自分には合わなかったとのことでした。彼の転職を聞いて公務員への転職という選択肢を知り受験を決意しました。
結局、銀行には2年11ヶ月勤め、現在は岡山県内の市役所で事務職をしています。市役所は今年で6年目の勤務になります。
公務員採用試験の内容を紹介!面接で聞かれたことはコレ
私が受けた岡山県内の市役所の採用試験の流れや面接で聞かれたことなどを紹介させていただきます。
採用試験の内容
募集(8月)→1次試験(9月)→2次試験(10月)→結果発表(12月)の流れで行われました。
1次試験は筆記試験(教養試験)と適性検査を行いました。選択肢を選んでマークシートに記入するタイプのものでした。10月に結果通知が書留で届き、2次試験の案内がありました。
2次試験は1日で面接を2度行いました。1回目は人事課による集団面接。2回目は人事課長との個人面接でした。面接で聞かれたことは以下のことでした。
- 志望理由
- 入庁したらどんな仕事をしたいか
- 前職で精神的な病気等になったか
- なぜ〇〇市を受験したのか
- 〇〇市にあったらいいなと思うイベント
志望理由書に書いたことを紹介
受験申込書には基本的な経歴に加え、志望動機、自己PR、地域や学校でどのような活動や取り組みを行っているか、〇〇市のためにどのように貢献していきたいか等を記入しました。
私の場合は地域に貢献したいという想いで地方銀行に就職しましたが、営利団体である以上、本当の意味での地域貢献とは言い難い現状があります。
行政のサービスこそが私にとっての地域貢献であり、これまで培ったスキルをもって、地域の役に立ちたいと思ったので、志望しました。
具体的には、前職の知識を生かして中小企業を支援する制度融資に関わりたいと想います。という趣旨で記載しました。
地方銀行から公務員に転職して感じたことは?メリットデメリットを紹介
地方銀行から公務員に転職して一番のメリットは精神的な負担が減ったことです。ノルマがないので毎日ゆったりと仕事ができています。
その反面、ダラダラと仕事をする人間や無能な人間が多いと感じています。銀行では一人でやっていたような業務量を複数人でこなしているのを見ると特にそう思います。
また、田舎の市役所なので古い体質が抜けきれていません。「残業するのが美徳」であったり、ろくな指導もなく「見て覚えろ」的な風習がまだ残っています。
特に技術職(建設・土木・水道等)のいる部署は、いわゆる「マイルドヤンキー」のような人種が多く、ストレスを感じる場面もあります。
また、部署によって業務量や環境に大きな差があるという印象を受けました。毎日定時で帰れる部署と、人員が圧倒的に足りていない部署があるので、異動によってはワークライフバランスが大きく乱れると感じています。
地方銀行を辞めて良かったこと悪かったこと
公務員に転職してトータルでは良かったと思っています。ただ、やっぱり良かったことと悪かったことがあります。
転職して良かったこと
一番良かったことは金融機関を固定化する必要がなくなったことです。銀行員になるとメイン口座やクレジットカード等、自分名義でひとしきり作ります。そして、それを当たり前に利用していました。
転職後は、還元率の高いカードや、利便性の高いネットバンクをメインで利用するようになり、生活の質が向上したように感じます。
転職して悪かったこと
収入面に関しては少しだけ後悔しています。まだ銀行に残っている同期に会って、給料やボーナスの話になったことがあります。私よりはるかにたくさんもらっているなと感じたのが印象に残っています。
ですが、彼らも銀行の将来性には不安を感じているようで、転職や副業の話もよく話題に出ます。そういった点では早めに転職を決意してよかったと思います。
地方銀行から公務員に転職を希望する方へのアドバイス
転職した当初は分からないことが多く苦労していました。市役所の事務職は、「部署が変わる=転職」というくらい業務内容ががらりと変わります。
銀行のように前の支店で得たスキルがそのまま活かせるかというと必ずしもそうではありません。
分からないことは同僚に聞いたり、前任者が残していったマニュアル等を見ながら勉強していきます。
幸いなことに私が最初に配属された部署は業務量も少なく人にも恵まれていたので、じっくり知識を蓄えることができました。
2つ目の部署は水道関連の部署で、いわゆる技術職が多い部署でした。土建屋のようなヤンキー気質の方に囲まれ、この頃は苦労したことを覚えています。
論理的な会話ができず、「仕事は見て覚えろ」というスタンス。前時代的な働き方に、衝撃を受けました。
地方公務員に転職しようと思う方へのアドバイス
地方銀行で勤めていた方からしたら市役所での仕事というのはとても楽に感じると思います。これが民間との違いなんだなと毎日思っています。
ですので、仕事量が多くて困るなんてことは部署にもよりますがほとんどありません。そこに関しては安心して頂ければと思います。
学歴が心配だという方も地方公務員であれば問題ないと思います。私が勤めている職場の方々の学歴は本当に様々です。学歴よりも人物重視という感じです。
地方公務員への転職は年齢制限があるところもあります。悩んでいるようであれば早めに転職を考えて行動しましょう。
毎日ノルマに追われて精神的にキツイなんて方はすぐに行動してもいいかもしれません。従業員に優しくない企業に将来性はないと思いますし、思い切って転職活動をしましょう。
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