今回は銀行や信用金庫で働いていたらつい出てしまうあるある!
「札勘が染みついている」「電話が鳴ると落ち着かない」「五十日が近づくと胃が痛い」──
銀行員にとって“職業病”は努力の証でありながら、時に心身をすり減らす原因にもなります。
職業病について10人にアンケートをとってみました。読んでみるとどれもうなづけるものばかり。
この記事は「共感」だけで終わりません。
限界サインの見分け方 → 今日できる対処 → それでもダメなら“外”の選択肢まで、元行員の実例と一緒に具体策をまとめました。
銀行員ならではの日常の職業病まとめ!

地方銀行や信用金庫で働いていた10人にアンケートを実施し、日常生活でつい出てしまう職業病をまとめました。
お金を扱う緊張感のある環境で培われた習慣は、退職後も体に染みついています。札勘や電話対応の速さ、お金への細かさなど、金融機関ならではのクセが日常に溢れています。
① 思わず札勘してしまう
コンビニやレジでの会計時、無意識にお札を扇状に開いて数え、最後は親指で”パチン”と弾いてしまいます。
2000円程度の少額でも横読みや縦読みで数えてしまい、店員から「銀行の方ですか?」と聞かれることも。
友人との飲み会で集金した人が必ず札勘を披露するのも、金融機関出身者あるあるです。
② 電話は”1コール”で反射
電話の”プルプルプル”という着信音の”プ”という最初の1音が聞こえただけで、反射的に手が伸びてしまいます。
金融機関では「電話は3コール以内、基本は1コールで受話」が鉄則として厳しく指導されているため、この習慣が体に染みついています。
③ 五十日(ごとうび)に身構える
五十日(5日・10日・15日・20日・25日・30日)の日付を見ただけで、一瞬緊張してしまいます。これらの日は給料日や納金支払いなどで銀行窓口が特に混み合う日で、朝から気合を入れて業務に臨んでいました。
窓口が忙しいと様々な問題が起こりやすいため、五十日は心が引き締まる日でした。同様に、生活保護の受給日や年金受給日も、ATMが混雑しエラーも多くなるため、日付を見るだけで身構えてしまいます。
月末月初や9月末・3月末の決算期も憂鬱になるなど、繁忙カレンダーが体に刻まれています。
④ お金の”落ちる音”に過敏
硬貨や紙幣が床に落ちる音に対して、異常なほど敏感に反応してしまいます。支店の現金が1円でも合わないと捜索が続き夜になっても帰れません。
どうしても見つからない場合は「現金事故」として本部に報告しなければならない重大な失態となります。
このプレッシャーから、預金部の行員はお金の落ちる音に過敏になります。
⑤ ATM手数料・無料時間に異常に詳しい
「この銀行は何時までATM手数料が無料」「この曜日はお得」など、各金融機関の手数料体系や無料時間帯を瞬時に判断できてしまいます。
自分が銀行で働いていた経験から、ATM利用手数料に細かくなり、振込はネットバンキングを使う、引き出しは無料時間帯を選ぶなど、徹底的にコストを意識するようになりました。
⑥ 通帳は”定期的に記帳しないと落ち着かない”
最近は紙媒体の通帳が廃止される傾向にありますが、未だに定期的に記帳する癖が抜けません。
何月は利息計算月だとか、そういった細かいことが気になってしまい、通帳記帳する習性が体に染みついています。自分の通帳でも未記帳がたまると気持ち悪く感じてしまいます。
⑦ 服装・ネイル・髪色は”目立たない”を選びがち
退職後も、服装や化粧、髪型、髪色を選ぶ際に、「目立たない」「相手に不快感を与えない」という観点が最優先になってしまいます。
金融機関では身だしなみについて厳しい指導があり、その基準が体に染みついているためです。
派手な色やデザインよりも、落ち着いた色合いや保守的なスタイルを無意識に選んでしまいます。華やかさよりも清潔感や信頼感を重視する習慣が抜けません。
⑧ つい「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
プライベートでコンビニに入った際、店員の「いらっしゃいませ」という声に無意識に反応して、客なのに「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言いそうになってしまいます。
銀行の営業店舗では、お客様がドアをくぐった瞬間に誰かしらが必ず声をかけ、一人が発すると呼応して店舗内の全員が山びこのように同じ言葉を繰り返す習慣があります。
⑨ 他行に行くと”伝票・朱肉・ペン残量”が気になる
他の金融機関を利用した際、つい伝票の残量や起票台の状態、朱肉の乾き具合、ボールペンのインク切れなどが目に入ってしまいます。
自店で補充する業務をしていたため、つい残量を確認する癖がついています。
特にボールペンが切れていたり、朱肉拭き取り用のティッシュが散らかっていたりすると、片付けたり窓口に「インクが切れてます」と余計な一言を言ってしまうことも。
⑩ つい原価や粗利を考える
買い物をする際、商品を手に取ると「この商品の原価がいくらで、利益がどれくらいなのか」をついつい考えてしまいます。
これは信用金庫の取引先で様々な業種の経営状況を見てきた経験から、原価率や利益率を推測する癖がついたためです。
渉外担当として商売人のお店を訪問し、売上の集金をしながら融資の提案をしていた経験が影響しています。
⑪ 見かけた会社が”取引先かどうか”気になる
街を歩いていて店や会社を見かけるたびに、「この会社は自分が勤めていた銀行の取引先なのだろうか」「融資をしているとしたらどこの支店が担当しているのだろうか」といちいち考えてしまいます。
これは住宅ローンや融資業務を担当していた経験から、地域の企業や店舗と金融機関との関係性を自動的に紐づけて考える癖がついたためです。
⑫ 誰のミスか”起票・印鑑”で追跡したくなる
銀行では全ての書類に自分の印鑑を押すため、どんな仕事でも誰がやったものかすぐにわかります。
ミスが起きると誰の責任か即座に特定できる仕組みになっています。そのため転職後、誰がミスをしたのかわからない状況に遭遇すると、「誰がやったんだよ」と毎回思ってしまいます。
こちらでフォローできるようなささいなことであれば問題ありませんが、責任の所在を明確にする文化が体に染みついているため、曖昧な状況に違和感を覚えます。
⑬ 会社名を名乗りそうになる
自宅の電話に出る時、つい会社名を名乗りそうになってヒヤッとすることがあります。
銀行では電話対応の際、必ず「●●銀行△△支店の□□でございます」と名乗るのが基本で、この習慣が体に染みついているためです。
また、自分が客なのに店員に対して「ありがとうございました」と笑顔で言ってしまいそうになることも。
⑭ 自分の仕事が終わっても”全体が締まるまで帰れない”
銀行では当日のお金の勘定が合うことを全員で確認してから退社するのが基本でした。
そのため転職後、自分の仕事が終わったから帰るという感覚がしばらくの間馴染まず、他の人の仕事が終わるのを手伝ってから帰っていました。
日計・現金合わせの習慣で、チーム全体の業務が完了するまで待つのが当たり前という意識が染みついています。
⑮ 投資の話をしがち/協賛チームを応援してしまう
友人と将来のことを話すと、お金のことも話題に出るため、つい投資の話をしてしまいます。
話す時もセールスするような話し方や、上司同僚と話すような専門的な会話になってしまうため、気をつけるようにしています。
ただ、お客様に説明するように分かりやすく話していると、いつの間にか時間が経っていることもあります。
銀行員の限界サイン:休むべき/環境を変えるべき判断基準

銀行の仕事は正確性とスピードを同時に求められる緊張感の連続です。「もう限界かも」と感じているなら、それは心身からの大切なサインかもしれません。
次は、休むべきタイミングの見極め方から、今日からできる対処法、そして転職という選択肢まで、元銀行員の実例を交えて具体的に解説します。
無理を重ねて体調を崩す前に、自分に合った「出口」を見つけましょう。あなたの経験は、次のステージでも必ず活きてきます。
限界のサイン:休むべき/環境を変えるべき判断基準
銀行の仕事は、ミスが許されないプレッシャーと人間関係のストレスが重なりやすい環境です。「辞めたい」と感じるのは甘えではなく、心身が発している重要なアラートです。
ここでは、客観的に「限界」を判断するための具体的なチェックポイントを紹介します。
以下の症状が3つ以上当てはまる場合は、休養や環境の見直しを真剣に検討すべきタイミングといえるでしょう。
睡眠/胃腸/欠勤/ミス頻発/出勤恐怖…3つ以上で黄色信号
睡眠の質が著しく低下している
夜中に何度も目が覚める、仕事の夢で うなされる、朝起きても疲れが取れないといった状態が2週間以上続いているなら要注意です。
胃腸の不調が続いている
出勤前に必ず腹痛や吐き気がする、食欲がない、下痢や便秘を繰り返すなど、消化器系にストレスが表れるケースは非常に多いです。
これは自律神経の乱れが原因で、心理的ストレスが身体症状として現れている証拠です。
欠勤や遅刻が増えている
以前は真面目に出勤していたのに、最近は体調不良での欠勤が月に1回以上ある、朝起きられず遅刻しそうになることが増えた、という変化は心身の限界サインです。
ミスの頻度が明らかに増えている
札勘で数え間違える、伝票の記入ミスが増えた、お客様の名前を間違える、電話の取り次ぎを忘れるなど、以前はしなかったようなミスが週に複数回発生しているなら危険信号です。
出勤前に強い不安や恐怖を感じる
日曜の夜から憂鬱になる、職場の最寄り駅に着くと動悸がする、制服を着るだけで涙が出そうになる、といった症状は、心が「もう無理」というメッセージを送っています。
人間関係で孤立を感じる
同僚に相談できない、休憩時間が苦痛、自分だけ仲間外れにされている気がする、上司からのパワハラがあるなど、職場での人間関係が完全に破綻している場合、環境を変えない限り改善は難しいでしょう。
家族や友人から「変わった」と指摘される
周囲から「最近元気がない」「痩せた」「表情が暗い」などと心配される場合、自分では気づかないほど追い詰められている可能性があります。第三者の客観的な視点は、自分の状態を知る重要な手がかりです。
これらのサインが複数重なっている場合、すでに心身は限界に近づいています。「まだ頑張れる」と自分を鼓舞するのではなく、一度立ち止まって休養や環境の見直しを検討してください。
「今のままでは将来が不安…」という方へ
将来の安心を手に入れるには、「転職」も一つの選択肢です。
最近では20〜30代転職を専門サポートしてくれるエージェントも増えており、履歴書添削や面接対策まで無料で受けられます。
💼「自分に向いている仕事って?」「今より条件の良い職場は?」
そんな疑問も、キャリアのプロが一緒に考えてくれます。
具体策:今日からできるセルフケア3つ+職場でできる調整3つ

限界を感じていても、すぐに退職という決断ができない事情もあるでしょう。ここでは、今の環境で少しでも負担を軽くするための具体的な方法を紹介します。
セルフケアと職場での調整を組み合わせることで、状況が改善するケースもあります。
ただし、これらを試しても改善が見られない場合は、環境を変えることも視野に入れるべきです。無理をして体調を崩してしまっては元も子もありません。
今日からできるセルフケア
タスクの優先順位を明確にする
銀行の業務は多岐にわたり、すべてを完璧にこなそうとすると精神的に追い詰められます。まずは「今日絶対にやらなければならないこと」と「できれば やりたいこと」を明確に分けましょう。
朝の始業前に3つだけ「必須タスク」をメモし、それ以外は余裕があればやる程度に考えることで、心理的プレッシャーが軽減されます。
休憩時間は完全にオフにする
昼休みや休憩時間も仕事の話や人間関係のストレスから離れられない環境は、心を消耗させます。
可能であれば外に出て散歩する、イヤホンで好きな音楽を聴く、スマホで癒やし動画を見るなど、意識的に「仕事モード」から切り替える時間を作りましょう。
睡眠環境を整える
夜の睡眠の質を上げるために、寝る1時間前からスマホやPCの画面を見ない、温かい飲み物を飲む、軽いストレッチをするなどのルーティンを作りましょう。
職場調整
業務分担の見直しを相談する
「自分の仕事が多すぎる」「特定の業務が苦手で負担」と感じているなら、上司や先輩に正直に相談してみましょう。
「窓口業務は得意だが電話対応が苦手」「後方事務に集中したい」など、具体的に伝えることで、業務の割り振りを調整してもらえる可能性があります。我慢して抱え込むより、早めに声を上げることが大切です。
同僚に助けを求める
銀行の職場は個人プレーではなくチームワークが基本です。困ったときに「すみません、これ教えてもらえますか」「手が回らないので手伝ってもらえますか」と素直に頼ることは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、ミスをしてから報告するより、事前に助けを求める方が職場全体にとってもプラスです。
配置転換や勤務時間の変更を打診する
窓口業務のプレッシャーがきつければ後方事務への異動を、フルタイムが辛ければ時短勤務への変更を、上司に相談してみましょう。
金融機関によっては、社員の配置や勤務形態に柔軟性を持たせているところもあります。「辞める」と言う前に、「働き方を変えたい」と伝えることで、解決策が見つかるかもしれません。
これらの対策を1〜2ヶ月試しても状況が改善しない、あるいは相談しても取り合ってもらえない場合は、その職場にこれ以上留まることが自分のためにならない可能性が高いです。次のステップとして、外部の選択肢を検討する段階に進みましょう。
「今のままでは将来が不安…」という方へ
年収を上げて将来の安心を手に入れるには、「転職」も一つの選択肢です。
最近では20〜30代の転職を専門サポートしてくれるエージェントも増えており、履歴書添削や面接対策まで無料で受けられます。
💼「自分に向いている仕事って?」「今より条件の良い職場は?」
そんな疑問も、キャリアのプロが一緒に考えてくれます。
それでも改善しないなら”外”も見てOK【元行員の実例】

セルフケアや職場調整を試しても状況が変わらない場合、「転職」という選択肢を前向きに検討する時期かもしれません。
銀行で培ったスキルは、実は多くの業界で高く評価されます。ここでは、実際に銀行から転職した元行員の体験談と、転職活動をスムーズに進めるためのサービス活用法を紹介します。
体験談①:銀行窓口→一般企業の事務職へ【30代女性・主婦】
Aさん(35歳・既婚)のケース
地方銀行で10年間、窓口業務と住宅ローン担当として勤務していたAさん。結婚後もフルタイムで働いていましたが、五十日(ごとうび)や年金支給日の忙しさ、ノルマのプレッシャーで心身ともに疲弊していました。
「このままでは体を壊す」と感じ、30代半ばで一般企業の経理事務に転職を決意。
転職活動では、リクルートエージェントを利用し、銀行での「正確性」「お客様対応力」「ローン審査の経験」をアピールしました。
結果、地元の中堅メーカーの経理部門に採用され、現在は残業もほとんどなく、家庭との両立ができる環境で働いています。「銀行時代のスキルは想像以上に評価されました。もっと早く動けばよかった」と話しています。
体験談②:信用金庫→Fintech企業のカスタマーサポート【20代女性】
Bさん(28歳・独身)のケース
大学卒業後、地元の信用金庫に入庫。4年間、窓口業務と個人ローン販売を担当していましたが、人間関係のストレスと将来への不安から転職を決意。
「銀行の経験を活かしつつ、もっと柔軟な働き方がしたい」と考え、マイナビジョブ20’sでキャリア相談を受けました。
その結果、フィンテック企業のカスタマーサポート職に転職。金融知識を活かしながら、リモートワーク中心の働き方を実現しました。
「銀行時代の窓口対応の経験が評価され、面接では『即戦力』として期待されました。年収も上がり、ストレスも激減しました」とのこと。
体験談③:地方銀行パート→公務員(市役所事務)【40代女性・主婦】
Cさん(42歳・既婚・子持ち)のケース
地方銀行で15年間、窓口と後方事務を担当していたCさん。子育てとの両立のためパート勤務でしたが、銀行特有の厳しいルールと繁忙期の負担に限界を感じていました。
「もっと安定していて、子どもの予定に合わせやすい仕事がしたい」と考え、地元の市役所の臨時職員募集に応募。
銀行での事務経験と正確性が評価され、見事採用。現在は市民課で住民票発行などの窓口業務を担当しています。「公務員は残業も少なく、有給も取りやすい。
銀行ほど神経をすり減らすこともなく、子どもの学校行事にも参加できるようになりました」と満足している様子です。
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よくある質問(FAQ)
銀行を辞めたいと考えたとき、多くの人が抱く疑問や不安にお答えします。休職と転職のどちらを優先すべきか、未経験の職種に転職できるのか、年齢は不利にならないのかなど、具体的な質問に元銀行員の視点からアドバイスします。
- 休職か転職、どっちが先?
-
まずは休職で心身を回復させることを優先してください。限界を感じているなら、まずは心療内科や内科を受診し、診断書をもらって休職することをおすすめします。休職中に転職活動をすることも可能ですし、休んでいる間に「やっぱりこの職場で続けられそう」と思えば復帰する選択肢もあります。
- 未経験の事務職に転職できる?銀行スキルは活きる?
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銀行の経験は、一般企業の事務職で非常に高く評価されます。特に経理事務、総務、人事、カスタマーサポートなどの職種では、銀行経験者は「即戦力」として歓迎されます。未経験でも、面接で銀行時代の具体的なエピソード(ミスをどう防いだか、クレームをどう解決したかなど)を話すことで、十分にアピールできます。
- 40代でも転職できる?年齢は不利にならない?
-
40代でも十分に転職可能です。確かに20代・30代に比べて求人数は減りますが、40代には「経験」と「安定感」という強みがあります。
- 退職を引き止められたらどうする?
-
引き止めは想定の範囲内。毅然とした態度で「退職の意思は固い」ことを伝えましょう。
まとめ:自分を消耗させない働き方へ
銀行の仕事は、専門知識と正確性が求められる責任の重い仕事です。「辞めたい」と感じるのは決して甘えではなく、心身が発している大切なサインです。
まずは今の環境でできるセルフケアや職場調整を試し、それでも改善しない場合は、転職という選択肢を前向きに検討してください。
あなたが銀行で培った「正確性」「コミュニケーション力」「金融知識」は、多くの企業が求めるスキルです。
自分を消耗させる環境に留まり続ける必要はありません。この記事で紹介した転職サービスを活用し、自分らしく働ける場所を見つけてください。
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