地方銀行の給料は高いと思われがちですがそんなことはありません。特に就職したての頃なんて手取りで15万円程度しかもらえないなんてことも多々あります。
もちろんどこの地方銀行に就職するかによって給与水準は大きく異なりますが、20代前半の給与が安いのはどこの地方銀行も同じようです。
ただ、ある程度の期間働いて役職に就くことができると年収は大幅にアップします。何らかの役職に就くことができれば年収は100万円程度アップします。
ですので、どうせ同じようにしんどくて辛い仕事をするのであれば、少しでも早く役職に就くことが大切です。給料が上がればモチベーションも上がりますしね。
地方銀行で出世して係長になるには5年はかかる
私が勤務する某地方銀行では、しっかりと昇格試験制度が決められています。入社して3年するとまず平社員から主任というチームのチーフ級の役職になるための試験があります。
この試験では会社の基礎的な知識や一般常識、時事問題に対する知識が問われる筆記試験です。あまり難しくない内容ですので、ほぼ全社員がこの試験をパスして一律で主任になります。
主任から係長になるのが難しい!同期との差が出るのもここから!
その後、約5年してから受験資格が与えられるのが係長試験です。この試験ではチーフとして経験を積んだ中堅社員が、その部署のリーダーとして後輩指導に当たれるかどうかを問われることになります。
ただし、試験内容は主任試験と同じような筆記試験と、論文作成が加わります。この試験になると格段と難易度が増しています。
筆記試験もかなり細かい内容まで問われますし、いわゆるSPI試験のように知能を問われるような問題もバンバン出てきます。大学受験や就職試験を思い出します。
また論文では現在所属する部署で今後どのようなことをしていきたいかを具体的に問われます。内容も勿論重要ですが、論理だって現状分析とその課題に対する解決策を明示する必要があります。
私などは元々、文章を書くことがとても苦手だったのでかなり苦労しました。みんな一緒に主任試験に受かった同期ですが、この係長試験では少しずつ差が出てきます。
一発で合格する人、何年も不合格となってしまう人。ここで将来の管理職試験を受けることが出来るようになる年齢も変わってきます。
私は残念ながら数年チャレンジしてようやく合格となり、係長となることができました。
係長という役職に就いて大変だったこと
まず前述したとおり、係長として求められることは部署内のリーダーであることに加えて後輩を指導することです。
実際には部長や課長などの管理職はいますが、実務面で他の20代の後輩を仕切り、育てていくのは係長になります。
私自身が係長になった時は既に30前後でしたので、ある程度の仕事の知識はついており自分の仕事は何とかこなせるようになっていました。
しかし、いざそれを後輩に教えたり、チームをまとめたりするようになると本当に大変さが身に沁みました。
教えるためには自分がきちんと理解していないといけないため、今まで何となくこなしていたような業務も改めて勉強しなおさないといけませんでした。
人に対して教えることの難しさを目の当たりにして、そのための準備がどれほど必要なのかを学びました。
また、私のチームは約5名ほどでしたが、それらを取りまとめることの大変さも実感しました。最近の20代の社員は本当にさっぱりしています。
昔のような体育会系は通じず、きちんと論理的に説明して、何故この業務が必要なのかを理解しないと動いてくれません。
少しでも強い言葉で押し付けたりしたら、ハラスメントともいわれかねません。同年代と思ってなれなれしく接しても、イタイおじさんというレッテルを張られてしまいます。
後輩たちについてきてもらうためには、人間として尊敬されるような先輩でいないといけない、という事がとてもプレッシャーに感じています。
係長になるとやりがいも増え給料は毎月数万円アップ
係長になると部下も持ちますので責任も増えて大変なことも多くなります。ただ、その分やりがいもありますし、年収もアップします。
係長になり年収は100万円程度アップ
先ず何より嬉しいのは給料が少しだけアップしたことです。それまでは雀の涙のような月給で、一人暮らしをしていたという事もあり、ほとんど貯金するような余裕はありませんでした。
しかし、係長になったら数万円単位で月給があがりましたので、お恥ずかしながら、30代になりようやく少しずつ貯金が出来るようになってきました。
最近では少額ですが投資にも回せるようになりました。給料に少し余裕ができることで将来のお金や資産形成に対する興味がようやくわいてきたと感じます。
仕事にやりがいを感じることが増えた
また、仕事内容は述べた通り大変なことばかりですが、その分、やりがいを感じることも増えてきました。
今までは、指示された仕事や、やり方が決まっている業務を淡々とこなすだけでしたが、今は、どのようにすれば業務が改善されるのか、職場の他の人たちがより、仕事しやすくなるのか、ということも日々考えるようになりました。
毎日同じ仕事をこなすだけではなく、何かを生み出したり変化させていくことは、アイデアを考えたり、社内で関係各所との調整が必要であったりと簡単な事では無いですが、自分の行動で会社が変わるかもしれないと思うと、なんだかウキウキすることもあります。
幸い、現在の私の上司(管理職)は社員の自主性を重んじてくれる人なので、やりたいようにやらせてもらうことが出来ています。
失敗することもありますが、それも経験だと言ってくれるような職場環境があるので、失敗を恐れずに自分の意見や行動を通すことができています。
その結果、後輩が一緒にやる気を出してくれたり、尊敬されたりすることもありますのでその時は今までになかったやりがいを得ることが出来ました。
地方銀行で係長になりたい人へのアドバイス
今までに述べた通り、会社に入って最初に部下と言える後輩や同僚を持つのが係長という役職です。管理職ではありませんので、上司との板挟みになることもあり、仕事も今まで以上に大変になります。
しかし、それに勝るとも劣らないやりがいやうれしさを感じることができるようになるのも、係長という立場になったからこそです。
一般的には社内試験などで昇格する必要がありますので、その試験に対するモチベーションが上がらないこともあると思います。また勉強したり論文を書いたりしても中々合格できない方もいると思います。
しかし、その係長になる過程も少しずつ自分の成長に繋がっているはずです。単純に試験だから、となんとなくではなく、係長になったらしたいことや、こうありたいという姿を思い描くと頑張ろうという気になると思います。
また係長という立場になって初めて、課長などの管理職の大変さや重要性を知ることも多いです。
係長の次は管理職となって会社をよりよくしていこうという思いを持って、日々の仕事をしていくと、人生の将来的なイメージがより明確になります。
まだまだ、会社人生を始めたばかりの方やこれから地方銀行へ就職をするという方もいるかもしれませんが、最初の一歩をかみしめてより楽しい日々を過ごして欲しいと思います。
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