銀行のパートタイマーは、正社員との立場の違いから、職場でのいじめやハラスメントに遭いやすい状況にあります。
このような問題は、パートの方々のメンタルヘルスに深刻な影響を与え、仕事のモチベーションや自己評価の低下につながります。
ここでは、銀行パートが直面するいじめの実態と原因、その影響、そして適切な対処法や予防策について詳しく解説します。
銀行パートに多い3種類のいじめ【カウンター・後方・ロビー】

銀行のパート職員として働く女性の多くが、職場でのいじめに悩んでいます。
一見華やかに見える銀行の職場ですが、実際には配属される部署によって異なる形のいじめが存在するのが現実です。
また、パート特有の孤立感や疎外感が、職場でのストレスをさらに増大させる要因となっています。
ロビーいじめ:無視・陰口・雑務押し付け
ロビー業務は銀行の顔とも言える重要な部署ですが、パート職員にとっては最もいじめが起こりやすい環境の一つです。
典型例は
- ①挨拶を返さない無視
- ②陰でのあだ名・悪口
- ③広告差替えや備品補充など雑務の一方的な押し付け
カウンターいじめ:クレーム押し付けと責任転嫁
カウンター業務で最も典型的なのが「クレーム押し付け」です。お客様からのクレームが発生した際、本来であれば経験豊富な正社員や先輩職員が対応すべきところを、新人のパート職員に押し付けるケースが頻発しています。
表面上は丁寧に指導しているように見せかけながら、実際には必要な情報を教えなかったり、わざと混乱させるような指示を出したりします。
その結果、パート職員がミスを犯すように仕向け、後でそのミスを厳しく叱責するという悪質な手口もあります。
後方いじめ:事務エラーの“犯人探し”
後方事務部門はデータ入力や書類整理、各種事務処理が主な業務となりますが、ここでは「事務エラーの犯人探し」という形でいじめが横行しています。
後方事務では、大量のデータを扱うため、どうしても人為的なミスが発生します。
しかし、エラーが発見された際に、冷静に原因を究明して再発防止策を講じるのではなく、特定の個人を「犯人」として糾弾する文化が根強く残っています。
後方事務では、長時間同じメンバーで作業を行うため、一度いじめのターゲットになってしまうと、逃げ場がないのも大きな問題です。
休憩時間も食事時間も同じ空間で過ごすことになるため、精神的な負担は非常に大きくなります。
また、後方事務特有の問題として、「仕事の配分の偏り」があります。簡単で楽な業務は古参の職員が担当し、面倒で責任の重い業務ばかりをパート職員に押し付けるケースが多発しています。
銀行パートへのいじめが招くメンタル悪化と離職リスク

銀行パートでのいじめは、単なる人間関係のトラブルにとどまらず、深刻なメンタルヘルスの問題を引き起こします。
早期に自分の状態を把握し、適切な対処を行うことが重要です。
うつ・適応障害のチェックリスト(セルフ判定表)
職場でのいじめによるメンタルヘルスの悪化を早期に発見するため、以下のチェックリストを活用してください。
番号 | チェック項目 |
---|---|
1 | 朝起きるのがつらく、仕事の日は特に憂鬱になる |
2 | 以前楽しめた趣味・活動に興味や喜びを感じなくなった |
3 | 些細なことでイライラし、怒りっぽくなった |
4 | 将来に希望が持てず、悲観的な考えが増えた |
5 | 「自分が悪い」と強く自分を責めてしまう |
6 | 食欲が極端に減る/増えるなど大きく変化した |
7 | 夜眠れない・早朝に目が覚める日が続いている |
8 | 頭痛・肩こり・胃痛など身体の不調が長引く |
9 | 常に疲労感・倦怠感があり、体がだるい |
10 | 集中力が落ち、仕事のミスが増えた |
11 | 人と会うのを避け、家族や友人とも距離を置きがち |
12 | 職場を考えるだけで動悸・吐き気などが起こる |
13 | 仕事中に涙が出る、感情をコントロールできない |
14 | 休日でも仕事のことが頭を離れずリラックスできない |
15 | 「消えてしまいたい」と思うことがある |
判定の目安
このチェックリストは簡易的な判定ツールであり、医学的な診断に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談することが大切です。
該当数 | 状態の目安 | 推奨行動 |
---|---|---|
0-3 個 | 正常範囲。ただしストレス要因が続くと悪化の恐れ | 生活リズムを整えつつ経過観察 |
4-7 個 | 軽度の不調 | 家族・信頼できる同僚へ相談。セルフケアを強化 |
8-11 個 | 中程度の症状 | 産業医・心療内科への相談を強く推奨。職場調整を検討 |
12-15 個 | 重度の可能性 | 速やかに専門医を受診し、休職・転職など環境変更を最優先 |
銀行パートのいじめ対策!今日から出来る5ステップ対処法

銀行パートでのいじめに遭遇した際、感情的になって対応するのではなく、段階的かつ戦略的に対処することが重要です。
以下の5ステップを順番に実行することで、自分を守りながら問題解決を図ることができます。何より大切なのは、一人で抱え込まずに行動を起こすことです。
STEP1 言動を”日時付き”で記録する
いじめ対策の第一歩は、客観的な証拠を集めることです。記録すべき項目は以下の通りです。
- 「日時」は必須で、年月日だけでなく時刻まで正確に記載しましょう。
- 「場所」も重要で、ロビー、カウンター、後方事務室など具体的に記録します。
- 「関係者」については、いじめを行った人物、目撃者、その場にいた全ての人を記載してください。
最も重要なのは「具体的な言動」の記録です。「嫌なことを言われた」ではなく、「『あなたは向いていない、辞めたら』と○○さんに言われた」というように、可能な限り正確な発言内容を記録しましょう。
記録方法としては、スマートフォンのメモアプリやノートを活用し、できれば当日中に記録することが大切です。
STEP2 同僚 or ロビーマネージャーに一次相談
記録が蓄積できたら、まずは身近な相談相手に状況を伝えましょう。信頼できる同僚がいる場合は、その人に相談することで、客観的な意見や目撃証言を得られる可能性があります。
ロビーマネージャーや主任クラスの職員に相談する場合は、より慎重に行う必要があります。その人自身がいじめに関与していないか、公平な立場で対応してくれるかを見極めることが重要です。
STEP3 就業規則とパワハラ防止規程を確認
次に重要なのは、勤務先の就業規則とパワハラ防止規程を詳しく確認することです。
就業規則では、懲戒事由や相談窓口について確認しましょう。多くの銀行では、パワハラやいじめを懲戒処分の対象としています。また、相談窓口や苦情申し立ての手続きについても記載されているはずです。
STEP4 人事・労基署・社外ホットラインへエスカレーション
STEP3までで状況が改善されない場合は、より公的な機関や上位組織への相談に移ります。この段階では、これまでに蓄積した記録と規程の確認結果が重要な武器となります。
まず、人事部への相談を検討しましょう。人事部は組織全体の労働環境を管理する責任があり、パワハラ防止の観点から対応せざるを得ません。
並行して、労働基準監督署への相談も有効です。労基署では、労働相談コーナーで無料相談を受け付けており、専門的なアドバイスを得ることができます。
STEP5 改善ゼロなら転職・在宅ワークで逃げ切る
すべての段階を経ても状況が改善されない場合は、自分の身を守るための最終手段として、転職や働き方の変更を検討しましょう。
これは決して「逃げ」ではなく、自分の人生と健康を守るための賢明な判断です。
転職や働き方の変更は、人生の新しいチャプターの始まりと捉え、前向きに取り組みましょう。適切な準備と計画があれば、必ず道は開けます。
銀行パートを辞めたい人に選ばれている転職・在宅ワーク3選
銀行パートでの人間関係や労働環境に悩み、転職を考えている方が増えています。特に在宅ワークの普及により、通勤ストレスから解放されながら、自分のペースで働ける選択肢が大幅に増えました。
ここでは、銀行パート経験者に特に人気の高い3つの働き方をご紹介します。

コールセンター(在宅)【時給1,600円〜】
在宅コールセンター業務は、銀行パート経験者にとって最も移行しやすい職種の一つです。金融商品の知識や丁寧な顧客対応スキルがそのまま活かせるため、高い時給での採用が期待できます。
オンライン事務代行【扶養内OK 月5〜8万円】
企業の事務作業をオンラインで代行する業務も、銀行パート経験者に人気の高い選択肢です。正確性が求められる数値処理や、丁寧な文書作成スキルが重宝される分野です。
クラウドソーシング(ライター/データ入力)
クラウドソーシングプラットフォームを活用した働き方は、完全に自分のペースで進められるため、銀行パートからの転身者に人気が高まっています。
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相談できる外部窓口

銀行パートでのいじめ問題を一人で抱え込む必要はありません。専門的な知識を持った外部機関が、無料で相談に応じてくれます。
どの窓口も匿名での相談が可能で、相談したからといって職場に連絡が行くこともありません。まずは気軽に電話をかけてみることから始めましょう。
労働局「総合労働相談コーナー」
厚生労働省が設置する総合労働相談コーナーは、職場でのトラブル全般について相談できる公的な窓口です。
パワーハラスメントやいじめはもちろん、労働条件、賃金未払い、解雇など、労働に関するあらゆる問題を相談できます。
相談は電話、面談、メールで受け付けており、すべて無料です。匿名での相談も可能なので、「まずは話だけでも聞いてもらいたい」という場合でも気軽に利用できます。
面談の場合は事前予約が必要な場合があるため、まずは電話で相談することをお勧めします。
- 全国共通の案内ダイヤル:〈0570-0-91110(ゼロ・キュー・ワンワン)〉
- 利用時間:平日 9:00〜17:00 ※地域ごとに異なるため要確認
- ポイント: “証拠メモ” や就業規則を持参すると、相談がスムーズに進みます。
こころの耳電話相談(働く人のメンタルヘルス)
厚生労働省が委託運営する「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルス専門の相談窓口です。いじめによる精神的な影響について、専門的な観点からアドバイスを受けられます。
- 電話番号:〈0120-565-455〉通話無料
- 受付時間:月〜金 17:00〜22:00/土日祝 10:00〜16:00(年末年始を除く)
- ポイント:匿名OK。いじめで眠れない・涙が止まらないなど “心の限界サイン” を感じたら、まずはここで一次受けを。
全国社会保険労務士会 – パワハラ110番
社会保険労務士会が運営するパワハラ110番は、職場でのパワーハラスメントに特化した相談窓口です。
労働法の専門家である社会保険労務士が、法的な観点から適切なアドバイスを提供してくれます。
- 相談専用ダイヤル(開催時):〈0570-073-110〉※ナビダイヤル、曜日・時間は会場による
- ポイント:社労士は労務管理のプロ。**「会社に改善を促す文書をどう書くか」**など実務的な質問に強いのが特徴です。
早めの相談が「証拠集め」「配置転換」「休職申請」など次の一手をクリアにしてくれます。抱え込まず、外部のプロに頼りましょう。
よくある質問
- 銀行パートでいじめられていますが、すぐに辞めるべきでしょうか?
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即座に辞める必要はありません。まずは証拠収集と段階的な相談を行うことをお勧めします。日時付きでいじめの内容を記録し、信頼できる同僚や上司に相談してみてください。それでも改善されない場合は、人事部や外部の相談窓口に連絡し、最終的な手段として転職を検討しましょう。適切な手順を踏むことで、状況が改善される可能性があります。
- うつ症状が出ていますが、病院に行くべきでしょうか?
-
チェックリストで11個以上該当する場合は、早めに心療内科や精神科を受診することをお勧めします。また、職場に産業医がいる場合は、まずそちらに相談してみてください。メンタルヘルスの問題は適切な治療により改善が可能です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることが回復への第一歩となります。健康保険も適用されるため、費用面でも心配ありません。
- いじめの証拠を集めるのが難しいのですが、どうすればよいですか?
-
日常的な言動を日時付きでメモするだけでも有効な証拠となります。スマートフォンのメモアプリを活用し、「いつ・どこで・誰が・何を」を具体的に記録してください。音声録音も可能であれば効果的ですが、プライバシーの問題があるため慎重に判断しましょう。メールやLINEがある場合はスクリーンショットを保存し、目撃者がいる場合はその人の証言も重要になります。
まとめ
銀行パートはいじめが起きやすく、ロビーの無視や陰口、カウンターでのクレーム押し付け、後方事務での「犯人探し」など形態は多様です。
放置すればメンタル不調や離職に直結するため、①日時付きで証拠を残す → ②信頼できる同僚・上司へ一次相談 → ③就業規則・ハラスメント規程を確認 → ④人事・労基署・外部ホットラインへエスカレーション → ⑤改善ゼロなら転職・在宅ワークで環境を変える――の5ステップで対応を。
うつ兆候がある場合はセルフチェック表を活用し、早期に心療内科や産業医へ。証拠のメモ・録音、就業規則の写しが問題解決の鍵となります。
相談窓口は「総合労働相談コーナー」や「こころの耳」など匿名・無料で利用可。最終手段としては在宅コールセンターやオンライン事務代行・ライター業への転向も視野に入れ、心身を守る選択を優先しましょう。
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