地方銀行や信用金庫などの金融機関であれば福利厚生はしっかりしていると思われている方もいるかもしれませんが実はそんなことはないんです。
大手企業では当たり前のように出ている手当が出ない金融機関もあるんです。日本の企業で出る手当の中で代表的なものには以下のようなものがあります。
- 扶養手当
- 地域手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 資格手当
- 役職手当
- 時間外手当
どれも聞いたことがあるものだと思います。しかし、私が勤めていた地方銀行では住宅手当や、単身赴任手当、扶養家族への手当は出ていませんでした。
大学卒業後新卒で地方銀行や信用金庫に就職した方は気にならないかもしれませんが、他業界から転職してきたからしたら驚きかもしれません。
今回は大手運送会社から地方銀行に転職した男性の方にアンケートに協力して頂きました。金融業界への転職を考えている方の参考になればと思います。
地方銀行は福利厚生が不十分
私は中部地方に在住している30代男性です。4年制大学の政治経済学部を卒業し、東証一部上場の某企業に就職しました。
しかし、その会社での仕事に徐々に疑問を持つようになり、30代になってからと少し遅いタイミングではありますが転職を決意し、中部地方の地銀に就職しました。
それまで私が勤めていた運輸業界のとある会社は、基本給はそこそこのレベルではありますが、福利厚生が充実しており、転勤のないリージョナル採用を取り入れていました。
そのため、急な転勤もなく住宅手当も出るため、ある程度の余裕のある生活をすることができていました。
それに対し、私が現在勤めている地方銀行ではあまり福利厚生が充実しておらず、各種手当も不十分であると感じています。
各種手当が少なく実質の手取りは少ない
基本給はある程度確保されていますが、大企業であれば多くの会社で導入をされている、福利厚生サービス(例えば、住宅手当や、単身赴任手当、扶養家族への補助、業務に関わる資格所有者への特別手当、またその資格を取得するための勉強に対する補助、療養施設やホテルなどのサービス券など)が一切ありません。
転職する前は、それほど大したことではないと感じていたのですが、実際に以前の会社の待遇と比べると、今の会社の福利厚生の不十分さがとても強く感じられるようになりました。
基本給はある程度確保されていると書きましたが、実際に住宅手当などを考慮すると実質の手取り賃金は、他の会社と比べて低い水準であることが分かりました。
その割には業務内容は非常に多忙で激務であるのに対して、一方的な残業削減命令や人事制度・評価体制の迷走など、多々、会社経営層の社員に対する理解の無さが露呈するようになってきていると感じ、将来に少し不安を感じるようになっています。
運送業界から地方銀行へ転職して辛かったエピソード
転職前の職場とは業界が全く異なるため、当初は業界自体の知識や経験が全くなかったため、業務知識を覚えるのにとても苦労しました。
運輸系の前職ではそれほど難しい言葉やシステムもなく、少し体育会系ではありましたが何と元気と根性で乗り切れる部分もありました。
しかし、現在勤めている地方銀行では基礎的な金融知識の習得から、お客様の対応方法など今までとは全く違った業界だったので、勤務中は勿論ですが、勤務時間外でも勉強を自分ですることが多く、最初はそれこそ寝る暇もないくらい忙しかったことがつらかったです。
目まぐるしく考えることが多くあったので、一日が終わったらへとへとになってしまい、また夜遅くまで勉強した後に寝ると、夢にまで業務の内容が出てきてしまい、少しノイローゼ気味になってしまった時期もあります。
また、資格を取得するために独学での勉強を続けていますが、参考書などに使うお金も結構かさんでおり、家計を圧迫しています。
すぐに合格できれば良いのですが、何度も受験しないと合格しないとも聞いており、自分がすんなり受かるかどうかも不安です。
休日も勉強に費やす時間が増えているので家族との時間も最近は少なくなってしまっています。
できれば、早く合格し、業務にも慣れてもう少し落ち着いた生活を暮らしたいのですが、プレッシャーに負けそうになってしまいこのまま続けられるかどうかがとても悩んでいます。
妻や子供は応援してくれているので、頑張りたいと思いますが緊張の糸がいつ途切れてしまうか分かりません。
地方銀行の仕事は家族との時間が確保できないので辛い
上記に述べたように、業務内容や必要な資格の勉強に追われてい忙しく、家族との時間が取れない状況が続いており、家族に寂しい思いをさせてしまっていると感じています。
以前の職場は残業も少なかったため、晩御飯や朝ごはんはきちんと家族と一緒に過ごせましたが、今は顔を合わせる時間も少なくなってしまいました。
家で一人でご飯を食べていると昔の方が良かったかな、と思い転職を考えることもあります。
また、勤務中に慌ててしまったりミスをしてしまったりしたときに、そのような姿を同僚や上司に見られていることで、何だが自分の自信がどんどんなくなっていくようで怖く、また転職してしまおうかと思ったことがあります。
また、転職して間もない時に、研修として窓口対応の業務を行っていた時に、うまくお客様とのお話ができずに、間違った内容を説明してしまい、それに対して更に慌ててしまい、しどろもどろになってしまった結果、お客様を怒らせてしまったことがあります。
その時は、周りの目もとても冷たく感じてしまい、やはり自分にはこのような業界は向いていなかったのかと強く後悔して、また辞めてしまった方がよいのかもと思ったことはあります。
結局は同僚がうまくフォローしてくれて、その後はだんだんと仕事にも慣れてきていますが、本当に自分がこの業界でやっていけるのかどうかとても不安に思っています。
ただ、また転職したとしても同じような状況になるのではと思うので、つらくてももう少し頑張ってみようと思っています。
今の仕事(転職した方は転職先)に就きたい人にアドバイス
転職前は私は金融業界にとても憧れを持っていました。それまで泥臭い職場であったこともあり、スーツをビシッと格好よく決めて、難しい金融の話をしたり笑顔で接客やクライアントさんと商談しているようなイメージに対して、自分にはなかった華やかな姿を想像して、そのような世界に飛び込んでみたいと考えました。
しかし、本当にそのイメージだけで務まる仕事では勿論ありません。その裏では皆さん多くの努力や勉強、大変な苦労をしたうえで一人前の金融マンとしてやっていかれています。
私も現在はまだまだ勉強中で苦労をしていますが、先輩方に聞くとやはり皆さん同じような経験を通して、今の仕事をされていると仰っています。
どの仕事でもそうですが、今の仕事をきちんとできない人は他の仕事もできません。単純に今の仕事が嫌だからとか、待遇面での条件だけで転職を考えてしまうと予期せぬ苦労や、後悔を感じるかもしれません。
転職するときは、きちんとリサーチと自分にあった職業かどうか、よく検討して慎重に進めていくことをお勧めします。
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